DEPARTMENT OF RADIOLOGY, HYOGO COLLEGE OF MEDICINE

Home » 患者様へのご案内 » 放射線治療

放射線治療

放射線治療とは?

放射線治療の特徴は対象臓器の機能を損なうことなく(機能を温存しつつ)治療を行うことです。放射線治療は、根治的な治療から症状緩和を期待した治療まで、対象となる疾患は幅広く利用されています。当院では、リニアックを用いた外部放射線治療、子宮癌に対して腔内照射、前立腺癌に対し組織内照射を実施しております。放射線で免疫力が低下するのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、放射線治療だけで免疫力が低下するようなことはありません。

放射線治療の対象となる病気は?

放射線治療は、全身の悪性腫瘍および、ケロイドや甲状腺眼症といった良性腫瘍が、体調となります。放射線治療の対象疾患には、放射線治療によって根治が期待できる患者さんが過半数以上を占めています。放射線治療単独で行うこともありますが、抗癌剤などの薬物療法と併用する場合や、手術と併用して手術前や手術後に放射線治療を行うこともあります。手術や化学療法と放射線治療を組み合わせることで、よりよい効果を得ることができる場合もあり、これを『集学的治療』といいます。
現在、多くの患者さんが通院で治療を受けておられますが、『集学的治療』を行う場合に入院で治療を受けていただくこともあります。

放射線治療のながれについて

放射線治療にかかわるスタッフ

放射線治療には、放射線治療医、診療放射線技師、医学物理士、看護師がかかわり、チーム医療を実践しています。当科には、放射線治療線専門医3名、放射線治療品質管理士3名、放射線治療専門技師3名、医学物理士1名、がん放射線療法認定看護師1名が治療に従事しています。

兵庫医科大学病院での放射線治療の特徴

乳癌に対する放射線治療

乳癌に対する乳房温存療法(乳房を切除することなく悪性腫瘍を抽出する手術)では手術後に放射線治療を行います。院内乳腺外科だけでなく阪神地域の多くの施設から患者さんを紹介していただいています。
通常は、25回(5週間)の治療が一般的ですが、最近は年齢や病状を考慮して、短期間(16回)の治療も行っています。

肺癌に対する放射線治療

肺癌に対しては、呼吸器内科・呼吸器外科との合同カンファレンスにより治療方針を決定しております。早期肺癌に対する治療は、手術が標準治療となっていますが、手術が困難な場合や手術を希望されない患者さんに対して体幹部定位放射線治療を行い、手術と遜色ない治療成績が期待されます。また、進行肺癌に対しても、化学療法および免疫チェックポイント阻害薬を併用した放射線治療を実施しております。また、肺癌に対しても、いち早く強度変調回転照射を導入し、副作用の少ない治療を提供するように心掛けています。

前立腺がん放射線治療

近年、前立腺癌は、生活習慣の欧米化、PSA(prostate specific antigen :前立腺がん特異抗体)検診の普及等により患者数が増加している疾患の一つです。前立腺癌に対する治療においては、前立腺全摘術と放射線治療ではほぼ同等の成績が得られております。前立腺癌のリスク分類や年齢に応じて、手術、密封小線源永久刺入(シード治療)、外部放射線治療(強度変調放射線治療)、ホルモン療法などを組み合わせて治療しています。また、外部放射線治療と小線源治療においては、直腸障害低減目的にハイドロゲルスペーサー留置を行っています。

画像誘導放射線治療(IGRT・IGBT)

当院の放射線治療装置には、CBCTが搭載されております。治療計画用CT画像と毎回の治療の際に撮影するCBCTとの照合により、誤差の少ない放射線治療を提供する体制を整えております。また、小線源治療(子宮癌に対する腔内照射)でも、アプリケーター挿入後にCTを撮影し、三次元治療計画を実施し正確な治療を行っています。